§0 ドーム構造とは……?

 ドームとは、日本語では「丸屋根」と言うことになります。ここで言う「丸」とは「球体」と考えるのが一番自然でしょう。最も典型的なものは半球形の屋根です。具体的な構造物として、すぐ思い出されるのは原爆ドームではないでしょうか?
 しかし、最近数多く作られるようになった球場などの巨大なドームは必ずしも球体の一部分ではないものも多いようです。現在のドームにはもう少し違った定義が必要なようです。多少乱暴ですが、一言で言って、「ドームとは外観上、外側に凸で、その表面上の任意点において、任意の二方向に非零で有限の曲率を有する、滑らかな曲面構造」ということになります。



 曲面上の任意の点において、R1=R2≡Rが成り立つような特別な曲面が半径Rの球面を示します。
 とりあえずドームの外観的な特徴は定義できました。しかし、ドームを実際に構築する場合の構造はいろいろなものが考えられます。鉄骨のフレームに外版を取り付けたものもあれば、鉄筋コンクリート、鉄骨コンクリートあるいは、東京ドームのような幕構造もあれば、イヌイットの氷を切り出したブロックによる組積み構造もドーム構造と呼んでよいでしょう。
 以上見てきたように、ドーム構造には、例えばトラス構造とかアーチ構造などのように固定された一つの構造形式が存在するわけではなく、「外観上ドーム形状を呈する屋根をつくる構造方法の総称」と理解すればよいでしょう。

 このホームページでは、木造のドームハウスをパネル工法によって作ることを目的に、その基本的な理論から、実際の部材加工までを紹介していきたいと思います。
 なお、このホームページで紹介している内容について、詳しい数値が知りたい方は、計算プログラムを用意しておりますので、ご利用ください。必要な方はダウンロードサイトにアクセスしてください。